奥比叡の里より「棚田日詩」 | TANADA-PRODUCTS

Farm Products -滋賀県奥比叡 仰木棚田米 他-

時折、親しい農家の方からお米や野菜、干し柿やお漬物などを頂くことがあります。これが本当に美味しい! 私は毎年、新潟と宮城の親戚からコシヒカリやササニシキを送ってもらっています。さすがに全国に知られたブランド米だけあって、甘味や輝きがちがうなぁと思って頂いています。

しかし仰木の棚田米も、それらのブランド米と比べて遜色がないというのが私の実感です。天候の影響もあるのか、年によっては明らかに仰木のお米の方が美味しいと思えることもしばしばです。

仰木棚田米は、山の冷たい湧き水を使っているため、米粒はやや小粒のように思われます。土壌は粘土質のためお米に粘り気がでます。寿司米には向きませんが、しっかりと米の旨味が味わえます。京都の料亭や滋賀県の有名ホテル、自然食品の団体などがここのお米を使っているのをみても、質の高さが分かってもらえると思います。この美味しいお米を、一人でも多くの人に知ってもらいたいという気持ちから、このホームページを使って紹介させていただこうと思います。

Kakashi Products -Postcard Gallery-

今から20年ほど前に地元の滋賀や京都、大阪で写真展を開きました。当時の案内文には、次のように書かれていました。「ここにはまだ機械力も化学もなく、人が素手で自然と格闘していた時代、その時代の人と自然の共存の風景が残されている。穏やかな自然、人の暮らしと温もりが感じられる風景、私はその風景を美しいと思う」

「しかしここは美しい棚田風景である前に、村人たちにとっては、生活をかけた米の生産現場である。千年の昔から、来る年も来る年もそして来る年も土を起こし、施肥を怠らず、水路を管理し、苗代をつくり、種をまき、畦を直し、代掻きをし、田植えを行い、水量を調節し、雑草を間引き、畦と土手の草を刈り、天気を占い、虫に悩まされ、病気と闘い、稲穂を刈り、ハサに干し、脱穀する・・・・・ 村人たちにとって、それ自身が生きるということであった。

そこで流された無数の汗が、豊かな稔りを願う知恵が、自然や先祖への深い感謝が、そして子や孫の幸せを願う祈りが、この棚田を築きあげてきた。今、私の目の前にある美しい棚田風景は、幾十世代の村人たちの人生そのものが積み重なったものでもあった」

ここに立つと、昔からの村人たちの営みと穏やかな自然が響き合う美しい交響曲が聞こえてくるような気がします。時に不協和音を響かせながら、時に絶妙のハーモニーを奏でながら・・・・

こんな思いを少しでも多くの人々と共有できないかと思って、四季折々のポストカードを作ってみました。それぞれの写真には、短いコメントと撮影地図も付けておきました。