奥比叡の里より「棚田日詩」 | DIARY

2026/09/07

9月、収穫の時

今日の黄色く色づいた棚田の写真は、9月初旬のものである。これ以後どんどん稲刈りが進み、9月下旬になると棚田の風景は一変してしまう。この期間の風景の変化は、下記の2012年~2025年の9月の写真を見ていただければお判りいただけると思う。

もう「かつて」と言った方が良いのかも知れないが、暦の上での9月は「初秋」である。それは秋の始まりを意味していた。ところが近年の9月は、温暖化の影響なのか?残暑が厳しくまだ夏のようである。こうした気候の変化に因るものなのか、棚田を歩いていても、いつもの見慣た蝶々やトンボに出会うことがめっきり少なくなってきたように思う。これからの米作りの悪い予兆でなければいいのだが・・・

9月(September)/ 2012年2013年2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年2025年


  2012年5月に始めた「棚田日詩」の閲覧数が180,000回を越えました。SNSの世界から見れば、微々たる数字にすぎません。しかも足掛け15年という長い歳月を掛けてのことです。

しかし私にとっては、その長い歳月を支え・励ましていただいた大切な大切な閲覧数です。訪問していただいたお一人お一人に、心からの感謝と御礼を申し上げます。

最近少し閲覧数が伸びています。その内訳を国別の構成比で見てみました。28%が日本の方々、72%が海外の方々となっています。「棚田日詩」を始めた頃から、60%以上の閲覧数が海外の方々によるものでした。この傾向は、今でも変わらないようです。ただ昨今、海外の方々の閲覧比率が70%越えるようになってきました。

「写真」という言語で、世界の方々と交流できるのは本当に嬉しいことです。ただ私の能力不足で、それぞれの国の言語で感謝の気持ちをお伝え出来ないのが残念でなりません!!

2026/08/16

残暑御見舞申し上げます

猛暑・酷暑が続く厳しい夏の日。少し涼やかな早朝の撮影は気持ちがいい。村を照らし始める朝の光。雲一つない青空。元気に咲き誇るヒマワリ。そして生活感漂う村の一隅。こんな風景に出会えばシャッターを押さない理由がない。私の大好きな風景の一つである。

今日の写真は村の中の風景。他方棚田に目を移せば、黄色く色づいた田んぼやまだ緑色を残す田んぼなど、その黄色と緑色のパッチワーク模様が美しい。しかしいずれにしてもお盆が過ぎ、子どもたちの地蔵盆が過ぎると、あちこちの田んぼで稲刈りが始まっていく。それが8月の奥比叡を代表する棚田風景である。

お盆が過ぎても油断のならない猛暑・酷暑が続きます。くれぐれも御身大切に!

追記)

奥比叡の棚田を撮らせてもらうようになってお盆を迎えるのは、今年で37回目。HP「棚田日詩」を始めてからは14回目となる。この間、8月という月をどのように感じ、撮影して来たのか? それを一覧するのも面白いのではないかと思った。これから一年間、そんな視点で各月の風景を振り返ってみようと思う。お時間があれば、見ていただけると嬉しく思います。

 8月(August)/ 2012年2013年2014年2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年2025年

2026/07/12

暑中御見舞申し上げます

今日の写真は2018年の7月25日に撮ったもの。美しい朝の光に包まれた稲穂とカメムシ。

いうまでもなくカメムシは、農家にとっての害虫である。できつつあるお米の養分を注射針のような口ばしで吸い取って生きている。

厄介なのはここからである。栄養を吸い取られたお米は、食感や風味が落ち、黒褐色の斑点が出てしまう。

そしてその斑点のあるお米がどれほどの比率で混じっているかによって、お米の「等級」が決められてしまう。1,000粒のお米の中で

1粒(0.1%)以下であれば一等米。

3粒(0.3%)以下なら二等米。

7粒(0.7%)以下なら三等米となる。

当然、その等級によってお米の販売価格が変わってくる。

2023年の長野県のデータ(コシヒカリやミルキークィーン)を見ると、一等米と三等米では60kgあたり2,000円ほどの価格差が出てしまう。カメムシが厄介者となる理由がここにある。

7月の棚田は、稲穂が顔を出し、開花・受粉し、その実がお米になり始める季節である。

近年、40℃を越す酷暑日が年々増えてきている。殺人的な暑さといっても過言ではない夏の最中。皆様、くれぐれもご用心、ご自愛ください!!

2026/06/10

6月の棚田

上の写真は6月初旬のもの。ようやく稲がしっかりと根を張り、自立できるまでに育ってきたところ。

下の写真は6月中旬、「梅雨」の最中に撮影したものである。すでに稲は分蘖(ぶんげつ)を繰り返し、盛んに茎を増やしながら成長しているところである。

 

「梅雨」はコメ作りにとって最もナイーブな季節なのかもしれない。梅雨の特徴である日照不足、低温、大雨等が心配となってくる。それが稲の成長(分げつ)を大きく左右しかねないからである。ひいては、それが秋の収量に直接影響してくるからである。「いもち」などの葉の病気も心配になってくる。その際、稲の生育環境(気温や水温、雨量等)の変化を注意深く観察し、稲の成長度合いに応じた細やかな水管理が一枚一枚の田んぼに求められてくる。そのナイーブな時期の棚田が下の写真である。

今年の関西の梅雨入りは6月4日、梅雨明けは7月20日前後だろうと考えられている。今年の梅雨がどんな梅雨になるのか? 全体的な予測はあったとしても、それはあくまで予測である。今年の現実の梅雨がどうなるのかは分からない。ただどんな梅雨になろうとも、奥比叡のお百姓さんの知恵と経験でその梅雨を乗り越えていかれるであろうことを私は信じている。


170,000回の閲覧。私にとっては信じられない数字です。心より御礼を申し上げます!!

2026/05/10

若葉と谷風とさざ波

5月初旬の棚田。水を湛えた田んぼ。柿の木の若葉がキラキラと輝いている。奥比叡の谷間を渡る風は、水面にさざ波を立てながら気持ちよく吹き抜けていく。さぁ、田植えの時が来た。

2026/04/10

桜と代掻き(しろかき)

4月の棚田を象徴するのは、桜の開花と田植えの準備作業である。

今年は幸運にも、満開の桜の下で子供たちの入学式が行われた。下の写真は「棚田の一本桜」。今年も花見に行ってみた。90才を越す老木のためか、花数が年々少なくなってきているように思われる。

4月の棚田は、にわかに騒がしくなる。田起こし、畦塗り、草刈り、代掻き、等々の農作業。何台もの軽トラックが細い農道を行き交い、トラクターが田んぼの中で力強く働き始める。上の写真は、代掻きの最中だろうか。

奥比叡の田んぼの一枚一枚でこうした農作業が丁寧に行われ、やがて水が引き込まれていく。そして田植えである。5月、奥比叡の棚田は水の大地に生まれ変わり、一年で最も美しい季節を迎えることとなる。4月は、その準備の月である。それにしても4月の棚田もまた美しい。

2026/03/08

 「畔塗り」をされているところ。畔塗りとは、モグラなどによって開けられた畔の穴を、田んぼの土を使ってきれいに塞いでいく作業のことである。これによって、田んぼの水漏れが防がれる。田植えまでの大切な準備作業の一つである。田んぼの淡い"緑"が、春の訪れを告げている。

ありがとうございます‼

160,000回の閲覧、心からの御礼を申し上げます。

「棚田日詩」を始めた個人的な動機は三つありました。

一つは、40歳前に生まれてきた一人息子と、私の死後もこのホームページを通じて会話を続けていければいいなぁと思ったからです。

もう一つは、文章などはほとんど書いたことのない私が、このホームページを通じて、「書く」ということを少し学べないかと思ったことです。正に「60の手習い」という覚悟で始めました。

最後の一つは、溜まりに溜まったフィルムとパソコンの中の写真をこの機会に何とか整理できないかと思ったからです。

一人息子が「棚田日詩」を見てくれているかどうかは知りません。恐らく全く関心がないのではないかと思っています。私の死後に見てくれれば十分です。

溜まったフィルムや写真のデータの整理は、今現在全く出来ておりません。これから?!だと思っています。

もう一つの動機である「文章を書く」ということに関しては、ヘタクソではありますが、ある程度できたのではないかと思っています。文章を書いて知る棚田・里山は、写真という視覚情報から得られるものとは全く違う発見・驚き・面白さに満ちていました。風景というものを言葉で見ることの大切さを教えてもらったような気がします。

いずれにしても2012年5月に始められた「棚田日詩」。当初は数十人の人にしか知らせていませんでした。また特別な宣伝というものも、「棚田日詩」の名刺を配る以外してきませんでした。「他の媒体を使って宣伝してみたら?」という助言などもいただいてはいたのですが、そもそも他の媒体の使い方がよく分からないという情けない状態で今日まで来ています。

検索エンジンで「滋賀県・棚田」「大津市・棚田」と引いても、「棚田日詩」が出てくることはありません。検索エンジンの奥深く、人知れずに潜っているローカルコンテンツです。

そんな「棚田日詩」が160,000回も見ていただけるなど、私自身想像することすらできませんでした。NETの不思議というより他ありません。ここに重ねて御礼を申し上げます‼

この「棚田日詩」は、ライフワークとして始めました。棚田や里山といったところの魅力を少しでもお伝えすることが出来たのなら幸いです。

これからもボチボチ・コツコツ・淡々と「棚田日詩」を綴っていこうと思っています。できれば更に多くの方々の閲覧をお待ちしています。

2026/02/21

2月の大雪

今年の冬の気象状況を大雑把に言うと、裏日本は豪雪、表日本は乾燥といった状況が続いている。裏日本は、線状降水帯の豪雨が雪に変わったような格好だ。対して表日本の雨が降らない所では、ダムの底が露呈し、節水規制が掛かるような状況になっている。

ここ奥比叡の里は、地理的に見ると丁度その境目にあるような所である。1月はほとんど雪が降らなかった。今年はもう降らないのかと思っていたら、2月の7~8日に掛けて棚田が真っ白になるほどの大雪が降った。久しぶりである。もっとも大雪といっても、高々10㎝から30㎝程度しか積もらない。

それでも白く染まった裏山と棚田を見ると、昔のおじいちゃんやおばあちゃんと同じように「今年は美味しいお米がたくさんできますように!」と願わずにはいられない。

2026/01/12

写真展「今森光彦 にっぽんの里山を旅する」

1月10日、私の妻の智子さんの誕生祝いも兼ねて、

今森光彦さん 写真展に行ってきました。

その日は今森さんのギャラリートークもあって、

多くの人々が熱心にお話を聞いておられました。

それが下の写真です。

今森さんが日本全国の里山を訪ねてみたいと思われて、

旅を始められたのが2008年3月。

以来、この写真展を開催されるまで19年。

北の北海道から南の西表島辺りまで、

ジープ型SUV3台を乗り潰すほどの

過酷な旅となったそうだ。

お話を聞いているだけで、気が遠くなる作業、

日々の積み重ねであったと容易に想像される。

「里山」という強固な目的意識なしに

完遂できるプロジェクトではない。

恐らく今森さんだからこそ成し得た

「偉業」だと思っている。


写真展を進んでいくにつれて

妻と二人で「すごいねぇ! すごいねぇ!!」と

感嘆しきり。

日本列島2000年の原風景が

確かにそこにあったように思った。

今森さん曰く、

「日本全国200カ所を超える里山を訪ねてきたが、

改めて考えてみると、日本列島は、

個性的な里山の風景が

繋がりあってできているのだな、

とつくづく感じる。

美しいにっぽんの里山が

点ではなく

途切れることのない面となって

広がってゆくことを願わずにはいられない」

―――――――――――――――――――――――――――

今森さんの、19年にも及ぶ里山探訪の歴史が

この言葉の中に凝縮されているように思った。





写真展の詳細はここをクリックしてください

2026/01/01

明けましておめでとうございます!

「瑞雪迎春」とは、豊年を告げるおめでたい雪をもって春を迎えるという意味であるらしい。全体として縁起の良い、吉兆を表す言葉のようだ。

今日から始まる新しい年もぜひそうなって欲しいものである。何よりも平和、そして私も含めて、人々の暮らしが物質的にも精神的にも豊かになりますことを願わずにはおれません。本当に、心から願わずにはおれません。

今年一年も、淡々とボチボチと「棚田日詩」を綴ってまいります。お付き合いいただければ嬉しく思います。本年も宜しくお願い申し上げます。


* 先月の枯れた棚田に、一晩も雪が降り続けば今回のような風景になる。稲の切り株が雪に覆われ、白いお饅頭がいっぱい並んでいるように見えて面白い、美しい。

2025/12/30

感謝!!

明日で終わる2025年。一年間「棚田日詩」にお付き合いいただき心より御礼申し上げます。

国の農政が、米の増産と生産調整の間で揺れている。為政者の心の中に、山里の小さな小さな田んぼの風景は刻まれているのだろうか?

 

来る新しい年も皆様のご多幸をお祈りいたします。

* 今年は体調が悪く、田んぼの写真を全く撮れませんでした。来年は、新しい写真をいっぱい見ていただこうと思っています。後期高齢者の空元気でガンバリます!!

2025/11/09

ありがとう!!

「棚田日詩」150,000回の閲覧、心からの御礼を申し上げます。閲覧の70%が外国の方々によるものです。日本の観光地でもない農村風景に、どのような関心を持たれているのか?不思議でもあります。

 

今日の写真は、短い秋の終わりの陽光に誘われて撮った一枚です。これからも宜しくお願い申し上げます。

2025/10/19

秋めく棚田

田んぼは収穫も終わり、静かに秋を迎えている。朝夕の気温は、10月の2週目辺りから秋らしくひんやりとしてきた。今年は酷暑の夏が本当に長かったように思う。

棚田を見下ろす足元からは、虫たちの短い秋のコーラスが聞こえてくる。

今回も体調が思わしくなく、この辺りで失礼します。

2025/08/30

酷暑の中の残暑御見舞

今年の8月は風邪や何やかやで体調が悪く、月の半分くらいは寝込んでいた。そんなことで「棚田日詩」の更新も遅れ、月末になってしまった。

今日の写真は、稲刈りを待つだけの実りの棚田。土手に広がる緑のグラデーション、黄色に染まる稲穂、濃緑の針葉樹林、青い空に白い雲。一見すると初秋らしい美しい棚田風景である。

しかしよく見れば???である。「空」がおかしい。どう見ても初秋の空ではない。積乱雲が力強く湧き出る「夏」真っ盛りの空である。どうやらこの数年、夏のピークが盆明けの8月下旬にズレ込んできているように見える。今日の写真はそんな初秋の変化が写っているのかも知れない。

近年、毎年夏の異常さを感じてきたが、今年の異常さは一段とレベルが上がったようだ。しかも、この異常気象の進行速度は速い。その変化のスピードに日本の農作物や農業全体がついていけないようである。そんなニュースが毎日テレビに流れている。いつもお米を分けていただいている西村さんに聞くと「今年はお米の質も悪くなりそうだ」とのこと。前途が思いやられる。

 

殺人的な暑さ。まだまだ危険!  皆さま、くれぐれもご自愛ください。