奥比叡の里より「棚田日詩」 | 稲刈りと台風18号

2013/09/18

稲刈りと台風18号

上の写真は、9月14日「平尾  里山・棚田守り人の会」と「リビング滋賀」の主催による棚田オーナーの方たちの稲刈りの様子です。今回は、私の写真の大先輩である田口郁明さんによる当日の写真です。トリミング、構成の責任は私にあります。

 


緊急報告! 台風18号が去って・・・・・

近畿地方を襲った台風18号は、 9月15日から16日に掛けて京都・滋賀・福井に大きな被害をもたらした。私も長年京都市に住んでいたが、嵐山の渡月橋から水があふれ出すなどということは初めての経験である。

今日18日は、仕事の休日ということもあって棚田に出てみた。何よりも、14日に組み立てられた稲架(はさ)が倒されていないか、稲が飛ばされていないか、そんなことが心配だった。「守り人の会」のフェイスブックを見ると、やはり稲架は倒されていたようだ。

https://www.facebook.com/pages/%E5%B9%B3%E5%B0%BE-%E9%87%8C%E5%B1%B1%E6%A3%9A%E7%94%B0%E5%AE%88%E3%82%8A%E4%BA%BA%E3%81%AE%E4%BC%9A/413397602055631

この写真は、「守り人の会」の方々が稲架を立て直された後のものである。土づくりから始まる一年間の成果が、立派に稲架に掛けられている。

 

ただ残念だったのは、「もち米プロジェクト」が育ててこられたもち米が倒伏してしまっていた。仰木のもち米(滋賀羽二重)は、粘土質の土壌で育てられるため粘りが強くでる。そうしたこともあってか、昔から絶品と言われてきたものである。近年、もち米を育てる農家は少なくなったが、「もち米プロジェクト」のような団体がその再生に取り組んでおられる。

下の2枚の写真、上が9月14日、下が台風後の18日、9月29日に刈り取りをされるそうだが、ちょっと手間の掛かる稲刈りになりそうである。

 

稲の倒伏以外にも、台風によるちょっとした被害はあった。馬蹄形の棚田の横にある駐車場の簡易トイレが強風で倒されかけていた。この駐車場に来るには、車1台がやっとという細い農道を登ってこなければならないが、下の写真は、その農道の右手にある細長い棚田の土手が崩落してしまったところである。この土手は、十数年前の台風の時にも大きく崩れている。

 


 平尾 里山・棚田 守り人の会 

 http://oginosato.jp/moribitonokai/index.html

もち米プロジェクト 

http://oginosato.jp/mochikome/index.html



今日の稲刈りの写真を提供していただいた「田口郁明」さんは、私の勤務する会社のパンフレットづくりに携わっていただいたカメラマンです。今から二十数年前からのお付き合いになります。スタジオでの商品撮影もされますが、本業は風景写真家です。著書に「広沢池の四季」という写真集があります。京都を題材にした写真集は多くありますが、広沢の池だけをテーマにまとめられているのは彼の写真集だけだったと思います。彼の人柄のように、深く静謐な広沢の池が心を満たしてくれます。写真展もまた、関西を中心に精力的に行ってこられました。

http://olympus-imaging.jp/event_campaign/event/photo_exhibition/past_photo_exhibition/120202_taguchi/