奥比叡の里より「棚田日詩」 | 2022 | 4月

2022/04/03

いつもの桜、いつもの風景

日本の中山間地の農村に行けば、どこででも見られるような風景である。

穏やかに晴れた一日。村はずれの桜は今が満開。そこに郵便局の軽トラックが通り掛かる。いつもの見慣れた風景。人々の日常の生活がそこにある。そして何気ない平和がそこにある。


 

黄色く実った小麦の大地。それは地平線の彼方まで果てしなく広がっている。雲一つない青空はどこまでも高く、その実りを祝福しているかのようである。ウクライナの国旗は、そんな農村風景をデザイン化したものであると聞いている。

 

 

時折吹く風に小麦畑は右に左にゆっくりと揺れている。収穫を歓ぶ村人たちの話し声や笑い声が青空に響き渡っている。そんな光景が、この旗の向こうから見えてくるようだ。

残念なことに、今ウクライナの大地は他国の軍隊に蹂躙され、人々は塗炭の苦しみの中にある。この「棚田日詩」は、これまで3500名ほどのウクライナの方々に見ていただいてきた。その方々は、今どうされているのだろうか?   日々ウクライナの悲惨なニュースを見るにつけ胸が重く苦しくなってくる。一日も早い外国軍の全面撤退と平和が訪れることを願わずにはいられない。