奥比叡の里より「棚田日詩」 | 散歩どき

2012/10/07

散歩どき

この辺りの日没は早い。村の背後に奥比叡の山々が控えているからだ。今頃の季節は、夕方の5時前後に太陽が山の向こうへと沈んでいく。上の写真は、太陽が山の稜線に消えていく直前、この日最後の日射しが棚田の土手を照らしているところだ。この後2~3分で、村からも棚田からも日射しは消え、山の影に覆われる。この時間帯、にわかにこの道を行きかう人々が増えてくる。散歩の時間である。杖をついて歩くおばあちゃん、犬と散歩をするお母さん。夕食の下ごしらえが終わったのだろう。行きかう人々は、あちこちで短い立ち話をしている。小さな情報交換、ミニ井戸端会議といったところだ。家族団欒の夕食までの一時間ほど、こうした時間がこの道の上を流れていく。心と身体のリフレッシュという以上に、奥比叡の村々にとっても、人と人をつなぐ大切な時間のように思えてきた。

 

先週の台風とはうって変わって、今日は一日中爽やかな秋日和だった。あまりの天気の良さに誘われて、午後から田んぼに出てみることにした。上の写真は、今日の棚田巡りの最終カットである。

先々週あたりから棚田の土手に顔を出し始めた彼岸花やススキが、秋の風に揺れていた。辻が下には、紅白の花を咲かせた美しいソバ畑が広がり、来年の生命を繋ぐため、蝶や蜂などの昆虫が時間を惜しむかのようにやってくる。時折遠くの方で、勇壮な仰木太鼓が響いていた。そうだ、今日は村の運動会だったのだ。こんな日和に棚田巡りをしていると、心が青空になっていく。

 



里山みらいじゅく 2012 ——————————————

人の営みとともにある生命(いのち)ある自然、里山。その「里山」という言葉が今日のように一般的に使われるようになったのは、写真家今森光彦さんの活動と結びついています。彼はその「里山」を映像化するにあたって、仰木や伊香立、高島やマキノといった湖西の農村地帯を舞台としてきました。今森さんとともに仰木の里山を歩き、里山の秘密や不思議をお聞きください。今回は、上仰木の田んぼを歩かれるそうです。午後からは絵本作家の「はたこうしろう」さんの講演とお二人のトークショーがあります。里山や棚田に、少しでも関心のある方は、ぜひ、ぜひ、ぜひ、参加してみてください。自然に対する見方が変わるかもしれません。

 

と   き:10月14日(日)   9:30~

と こ ろ:大津市仰木   /   太鼓会館

詳しくは、今森光彦さんのホームページでご確認ください

http://www.imamori-world.jp/ima-event/satoyama/satoyama_2012.html

 

 

———————————————————————————————–

仰木自然文化庭園構想 八王寺組/稲刈り・稲架掛け・脱穀・縄ぬい

10月21日(日)、上仰木の八王寺地区の棚田で稲刈りや脱穀などが行われます。この八王寺の棚田は、琵琶湖が一望できる素晴らしいロケーションの中にあります。下の写真は上仰木の棚田です。

 

詳しくは、「仰木自然文化庭園構想 八王寺組」のHPをご覧ください

http://kamiogi.jp/?cat=32

http://blog.goo.ne.jp/kamiogi