奥比叡の里より「棚田日詩」 | 池に降り積もる

2016/12/18

池に降り積もる

奥比叡の山々の麓には、農業用のため池がいくつもある。一口にため池といっても、それを取り巻く環境は様々である。杉やヒノキの針葉樹の林に囲まれたため池もあれば、棚田の真ん中に作られたため池もある。今日のため池は、常緑と落葉の広葉樹が程よく入り混じった森の中にある。11月の中頃になると、この落葉樹が色づき始める。と同時に、ため池の水面にも赤や黄色や茶色の華やいだ彩りが映し出されていく。いつもは人目を引かないような地味なため池だが、この季節だけは村祭りのようなにぎわいを見せている。それも12月の中頃になると、その宴の終わりとともに、再びひっそりとした静かなため池に戻っていく。

上の写真。すっかり葉っぱを落としてしまった枝々が水面の中でかすかに揺らめいている。森は既に冬仕度を終えているようだ。秋の名残りと冬の始まりが写っていた。

紅葉も終わりに近づくと、このため池に夥しい数の落ち葉が風に舞い、水面に漂っている。やがて表面張力を失った落ち葉たちは、池の底へと降り積もっていく。それが下の写真である。そしてこのため池で、来年の稲を育てる命の水が作られていく。

 


 

この2016年も、一年間お付き合いいただきありがとうございました。

久しぶりにこのホームページのデータを見てみると、現在、一月に700回くらいの閲覧があるようです。閲覧数・訪問者数を見てみると、その50~60%以上が外国(20ヶ国以上)の方たちです。その人たちは、どうやって「棚田日詩」を見つけているのでしょうか?

試しに、「棚田/滋賀県」のキーワードをグーグルで検索をしてみると、「棚田日詩」が出てくるのはようやく10ページ目になってからです。「棚田/日本/写真」での検索では、20ページ目になっても出てきません。こんな奥深くに埋もれてしまっているホームページを、外国の方々がどのようにして知られるのか? 本当に不思議な話です。

本来なら、それぞれの母国語で「御礼」を申し上げたいのですが、英語をはじめ、すべての外国語ができません。仕方がないので、心を込めて日本語で「御礼」を申し上げます。

この一年間、「棚田日詩」を閲覧していただいたすべての方々に、心からの御礼を申し上げます。

来る年も、皆様の夢と希望が叶いますことをお祈り申し上げます。

本当に、本当に、ありがとうございました!!