奥比叡の里より「棚田日詩」 | キジ

2017/05/21

キジ

この季節、「ケン・ケーン」と キジの鳴き声が棚田のそこかしこで響き渡る。と、一応ここでは書いているが、私にはそんな単純な鳴き声には聞こえない。鳥類は恐竜の子孫だと言われているが、どこか恐竜や翼竜の鳴き声に似ているように思われる。もっとも私は、恐竜の声など聞いたことはないのだが・・・・ 文字では表現できない少し奇怪な声色が混じっている。 現代の鳥でいえば、クジャクの鳴き声に近いように思われる。

この写真は、雄のキジが高速で羽ばたいている瞬間をパチリ。縄張りを主張しているのか、彼女への求愛なのか、私には分からない。ここでも「ケン・ケーン」「ケン・ケーン」とうるさいほどだ。

キジの生息域は、河原や農耕地、平地にある林などの日当りのいい草地にあると聞いている。この辺りではよく、棚田の土手や休耕地などの少し背の高い草の生い茂った辺りから「ケン・ケーン」という鳴き声が聞こえてくる。とすれば、一昔前までの新田開発や雑木林の整備など、人間の農耕活動の広がりと共にその生息域を広げてきたのではないだろうか?

人気のない農道を歩いていると、時折キジに出くわすことがある。それが田植えの季節から秋口の頃までなら、お母さんに連れられたヒナたちとバッタリということもある。お母さんと一緒になって逃げていくヒナたちの小さな命が愛らしい。


 

2012年5月に始めた「棚田日詩」は、6年目を迎えることとなりました。何度か止めようかと思ったのですが、皆様の閲覧に励まされて何とかここまで続けることができました。これまで閲覧していただいた全ての方々に、心からの御礼を申し上げます。これからも、月一回の更新ペースはできるだけ守っていきたいと思っています。時折立ち寄っていただければ嬉しく思います。