奥比叡の里より「棚田日詩」 | 2016.あけましておめでとうございます

2016/01/01

稲刈りの後の切り株から、新芽が芽吹いてくる。それを「ヒツジ」という。ヒツジは、秋から冬に掛けて成長し、やがて稲穂を持つまでになる。しかし積算気温などが不足しているのか、稲穂の中にお米は育っていない。今日の写真は、冬とともに立ち枯れたヒツジが主役となっている。雪景色の中のヒツジ。これまでなら、毎年こんな写真を撮ることができた。しかし、温暖化という気候変動が進んでいく中、近い将来こうした写真が撮れなくなってしまうのかもしれない。

2016.あけましておめでとうございます

元旦、今日は朝から棚田を巡ってきた。例年の枯野の中に緑が多い。畦の雑草たちの多くが枯れずにそのまま生き残っているからである。昨年の12月の気温は零下になることはなく、昼間など働いていると汗をかくほど暖かな日が多かった。殊に、雪が降らなかったことが、雑草たちを緑のまま越冬させているのだろう。

わが家のプランター(http://tanada-diary.com/11959)も異常である。スミレをはじめ、20種類近くの雑草が繁茂している。いつもは12月に降る1~2度の雪でほぼ枯れてしまうのだが、この冬は、青々と文字通り「繁茂」している。スミレやタラビコは花を咲かせ、スミレの種を採ることもできた。おかしいのは草花だけではない。ウラギンヒョウモンという蝶々は卵から幼虫、サナギへと成長し、12月の中旬には寒空に飛び立っていった。他にもテントウムシやハチ数種が花を求めてやって来ている。中でも、クロスズメバチが12月の20日頃までやって来るのには驚いた。普段なら11月の中旬になると完全に見掛なくなるのだが・・・・  このハチには、これまで3回ほど刺されているので見間違うことはない。このハチの求める花が枯れてしまったので、その後来なくなってしまったようだが、まだこの冬空の中を飛び交っているのだろうか?

カエルもおかしい。春から夏にかけての雨の夜、彼らは別の田んぼや草むらに移動しようとして2車線の大きな道路に飛び出してくる。ところが大量のカエルが交通事故に合い、そのまま昇天してしまう。しかしこうした現象も、11月になるとほとんど見掛なくなる。ところが12月の中旬の雨の夜、田んぼの中を帰路についていると何匹かのカエルが車の前に飛び出してきた。あえなく交通事故である。

近年、毎年異常気象だと言われている。中でもこの冬は、「いつもとは違う」ということに気づかされることが多かったように思う。これも温暖化と言われる現象の一つなのだろうか。
正月早々、景気の悪い話で申し訳ないが、私の心の中にある気象や気候に関する漠然とした不安が年々大きくなっているように思う。こうした気候の変化によって、私の撮れる写真が変わってくるということは大した問題ではない。それよりも、奥比叡の里の米づくりが打撃を受けなければいいのだが・・・・と祈る気持ちで迎えた元旦となった。




「棚田日詩」は、最低でも月1回の更新ペースは守っていきたいと思っています。今年も宜しくお願い申し上げます。そして皆様の目標や希望が叶う年でありますことを心からお祈り申し上げます。




追記)  今日は1月3日、プランターのスミレの状態を見ていると、何処からかブーンブーンと羽音が聞こえてくる。その羽音の主を探してみると、何とクロスズメバチだった。すっかり季節を惑わされているようだ。

 

これが、わが家の珍客「クロスズメバチ」。多い時は5~6匹ほどでウドの花を目掛けてやって来る。スマホで撮影。