奥比叡の里より「棚田日詩」 | 雨乞い

2013/06/16

雨乞い

梅雨入りの宣言がされているにもかかわらず、日本の近辺に梅雨前線が見当たらない。今のところ猛暑日の続く空梅雨である。水が完全に干上がり、土がひび割れてしまった田んぼもいくつか見受けられるようになってきた。雨が欲しい! そんな雨乞いの願いを込めて、今週は雨の日の写真を並べてみることにした。

 

お気づきかも知れないが、上の5枚の写真は田植え後から5月中旬あたりまでに降った雨である。ということは、梅雨入り前の雨ということになる。今回、雨の写真を探していたら、意外にもこの時期のものが多かったのに驚いた。今年は、この5月中の雨にも恵まれなかった。

最初と最後の写真は、田んぼに落ちてきた雨を高速シャッターで写し止めたもの。肉眼では分かりづらいが、一端水面に落ちた雨がその衝撃で水柱を立て、その先端から水玉が飛び出してきているところである。強い雨は、じっと見ていると激しい爆撃のようである。

2枚目の写真は、霧雨の中の竹林が墨絵のように静かに佇んでいた。

3枚目の写真は、春の優しい雨の中でカラスが不安げに鳴いていた。この時期のカラスは、今春巣立ったばかりの若鳥が多い。仲間からはぐれてしまったのかもしれない。

4枚目の写真は、一見虹の出た穏やかな風景である。ところが、農具小屋の屋根が吹き飛んで舞い上がるほどの強風と雨の中で撮ったものである。春の嵐である。身体まで吹き飛ばされそうになりながら、カメラと三脚にしがみついてシャッターを切った。

今日の午後、田んぼでは、少なくなった水をどのように分けるのか?  真剣に話し合われていた。参考までに、今現在のひび割れてきた田んぼも見ていただきます。この写真を見る限り、稲の成長も少し遅れているように思われる。