奥比叡の里より「棚田日詩」 | 虹

2013/10/20

10月15日から16日に掛けて、今年最大の台風26号が日本列島を襲った。死者・行方不明者は54人にも及んだ。殊に伊豆大島の土石流による被害は目を覆いたくなる惨状であった。至る所で削り取られた山肌、大量の土砂に押しつぶされた家屋、海岸まで押し流された夥しい数の流木、その恐ろしさと痛ましさに言葉が出てこない。

 

台風の過ぎ去った16日の午後から田んぼに出てみた。もち米プロジェクトの稲架が倒れていた以外、目立った被害は見当たらなかった。秋耕された畝、黄葉する枝豆の畑、何事もなかったかのように穏やかな秋の深まりがそこにあった。

それにしても、美し過ぎる虹。脳裏に浮かぶ被災地の惨状。今更ながらに自然の無情さ、残酷さを思い知らされる。