奥比叡の里より「棚田日詩」 | 2014 | 12月

2014/12/24

華やぐ冬景色

鈴なりに実を付けた柿の木が、冬の棚田を彩っている。木によって個体差があるようだが、今年は豊作の年に当たったようだ。というよりも、所有者によると「こんなに沢山の実が付いたのは記憶にない」そうだ。柿の木自身の成長の周期のようなものでそうなるのか?  それとも気候などの外的要因が影響しているのか?  私には分からないが、冬の枯れた棚田が少し暖かく華やいで見える。

雑木林の向こうに雪をかぶった山並みが見える。比良山系である。比良山系は、その高さ(最高峰1214m)においても琵琶湖の湖西地区を代表する山々である。と同時に、恐らく湖西地区の気候風土や生態系などに絶大な影響を及ぼしていると思われる。この山々が白く染まると、誰もが本格的な冬の到来を実感する。その比良山系を仰ぎ見る奥比叡の棚田では、年末までの最後の農作業、土手の草刈りや田起こし・水路掃除などに忙しい。


 

今年もクリスマスのイルミネーションを撮らせていただこうと思っていたのですが、仕事も残業が続き、ついにその機会を逃してしまいました。

今回が、今年最後のDiaryとなります。もうすぐ3回目のお正月を迎えます。こんなに長く続けるつもりはなかったのですが、毎週見ていただく皆様に励まされてここまで来れました。本当にありがとうございます。皆様にとって来る年も良い年でありますように、心からお祈り申し上げます。

2014/12/10

ちょっと気掛かり

「里山イニシアチブ」という取り組みをご存知ですか?    最近の私は、そうした情報への感度も低く全く知りませんでした。この9月、田んぼでお知り合いになった大学の先生から初めてその活動のことを教えていただいたのです。早速、先生からいただいた資料やインターネットのいくつかのコンテンツを見てみました。まだ落ち着いて読めていないので、誤った理解があるのかもしれませんが、いくつかの「違和感」のようなものを感じました。その違和感が何なのか?  この文章を書き進めていく中で整理してみたいと思います。

   里山イニシアチブの活動が始められる直接的な経緯については、2010年の『「SATOYAMA イニシアティブ」に関するパリ宣言』において次のように書かれている。(【・・・】内は引用)

【SATOYAMA イニシアティブに関する国際有識者会合が、パリの国連教育科学文化機関(UNESCO)本部で2010 年1 月29~30 日に開催された。本国際会合は、これに先立ってアジアで開かれた2つの準備会合(2009 年7 月25日於:東京、2009 年10 月1~2 日於:マレーシア・ペナン。各会合の報告資料についてはwww.satoyama-initiative.org/jp/を参照のこと)の成果を踏まえ、日本 国環境省(MOE-J)及び国連大学高等研究所(UNU-IAS)の主催並びにUNESCO、 国連環境計画(UNEP)及び生物多様性条約事務局(SCBD)の共催で開催された。】

   2010年、これまで個々バラバラに行われていた里山再生の取り組みを、国際的な連携・協力の下に進めていくために「IPSI」(SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ)という機関が創設された。暫定的な事務局はUNU-IAS(国連大学高等研究所)が務めることとなり、里山についての調査・研究、里山再生活動の情報などを一元管理し、共有していくセンター的役割を担っていくようだ。(続く)


やはり12月! 年末商戦の真っ只中。忙しくて、日曜日に更新できませんでした。「IPSI」のホームページに、その基本的な考え方を示す「概要≪ ttp://satoyama-initiative.org/ja/about/≫」が書かれています。関心のある方はぜひご一読いただきたいと思います。違和感はいくつかあるのですが、「里山とは何か?」といった本質的な問題も含まれる違和感だけに、私自身も何とか整理して、この文章を続けていきたいと思っています。