奥比叡の里より「棚田日詩」 | 恵みの雪

2023/02/18

恵みの雪

2月の棚田は、まだモノトーンの世界。淡雪が枯れ草の色彩を覆い、一層白黒の世界に変換してくれている。そうした中、数本の針葉樹の左横、青緑色した倉庫のような建物が見える。そこだけが鮮やかな色彩を帯びた不思議な風景であった。

今年は1月に大雪が降った。といっても雪国ではないので、深く積もった所でも20~40㎝程度のことである。その後、2月に入っても雪の降る日があり、棚田は白く飾られることが多かった。そんな時、昔聞いたおじいちゃんの言葉を思い出した。「裏山が真っ白になると、その年の米は美味しいんや」というものだった。今年の秋が楽しみである。