奥比叡の里より「棚田日詩」 | 山桜

2017/04/09

山桜

木々は芽吹き始め、生命の輝きが枯れた山肌を彩っていく。遠くに一塊の山桜。ヒバリは空高く歌い、鶯の声が谷間に響いている。今日の写真は、林道の木立の隙間から覗いたものである。確かに山の中の風景ではあるが、それほど奥深くに入り込んだものではない。このすぐ下には棚田が広がり、田植えの準備が進んでいる。

少し田舎の方に行けば、どこででも、誰でもが見ることのできる新緑と山桜の春景である。名の知れた千本桜や枝垂桜も美しいが、私は、こんな「春」が大好きだ。

しみじみと、しみじみと、心が春に満たされていく。


 

昨日の4月8日、あいにくの小雨の中「棚田の一本桜」が開花した。開花の仕方は年によっても違うようだ。数輪の花からポツリポツリと花数を増やしていくこともあれば、今年のように多くの蕾が一斉に花開くこともある。今年は3分咲き、4分咲きといった過程を飛び越して、開花の翌日(今日)には、いきなり6~7分咲きといったところになっている。恐らくこの数日、5月にも似た暖かな日が続いたからではないだろうか。今年の満開は、今週の中頃に訪れそうだ。