奥比叡の里より「棚田日詩」 | 小さな春

2019/02/06

小さな春

春が立つと書いて「立春」。今年の立春は2月4日、一昨日のことである。冬の寒さも底を突き、これから徐々に春に向かって季節が歩み始めていくという区切りの日である。とはいえ、まだ早朝は霜と氷の世界である。

今日の写真は、霜に彩られた雑草たち。上の写真をよく見れば、イヌノフグリだろうか、所々に青い蕾を付けている。下の写真は、霜に倒されながらも一輪の赤い花を咲かそうとしているホトケノザ。いじらしくもあり、健気である。かじかんだ指でシャッターを押す時、少し心が温まるのを感じた。


 1月は散々だった。初旬にインフルエンザに罹り、その後も体調不良が続いた。もちろん予防接種は受けていた。昨年の秋頃から義母の体調も急激に悪くなり、年末から仕事の合間を見つけて大阪への行き帰り。月末には、その義母も95歳の生涯を閉じた。私たち夫婦にとって親と呼べる最後の人だった。何度も通い慣れた大阪の街並みが、なぜか遠ざかっていくように感じられた。

随分写真とご無沙汰だった。これから少し、カメラを持って鋭気を養いたいと思っている。