奥比叡の里より「棚田日詩」 | 眩しい季節

2015/04/26

眩しい季節

田んぼの畔に柿の木が一本。枝々には芽生えたばかりの小さな葉っぱが、朝陽を透かして柔らかく輝いている。谷間の棚田に流れる春風は、時折田んぼの水面に銀色のさざ波を残して吹き抜けて行く。畦を彩るスミレやタンポポ、アザミたち。蝶は舞い、小鳥たちは空高く唄っている。足元では、慌てたカエルたちが一目散に逃げていく。まるで、生まれたばかりの生き物たちの生命(いのち)の大合唱が聞こえるようだ。

今年も田植えの季節、そして小さな生命が目覚める季節を迎えることができた。60を過ぎた頃からだろうか。歳を重ねるにしたがって、このめばえの季節が一層愛おしく、眩しくなってくる。


 

この「棚田日誌」も4年目の春を迎えることとなりました。これまで訪問していただいた全ての人々に、心からの感謝と御礼を申し上げます。あと一年は何とか続けさせていただこうと思っています。宜しくお願い致します。

一月ほど休んでしまった「ちょっと気掛かり・・・私の自然体験」の方は、5月から再開させていただくつもりです。