奥比叡の里より「棚田日詩」 | 老老介護

2013/12/15

老老介護

この辺りでは10月から12月の終わりに掛けて、多くの田んぼで秋耕と呼ばれる田起こしが行われる。トラクターで土を細かく粉砕し、稲の切り株などを鋤き込んでいく。土を空気に触れさせることによって、チッソの形を稲が吸収しやすいものに変えてやるのと、田んぼを乾燥させるということを主な目的としている。昭和30~40年頃までは牛を使っていたようだが、今はトラクターである。今日の写真は、この年最後の田起こしを終えたばかりのところである。

高齢化などの理由で、米づくりから離れていく農家がこの村でも増えてきた。実は、この日の田起こしも「頼まれ仕事」であった。今60代の人たちが中心になって、後継者のいない70代・80代の人たちの農業を肩代わりしている。まるで「老老介護」のような状態になってしまっている。今の60代の人たちは、米作りに対する情熱も体力もあり、当面この形でも進んでいくのだろうが、次の世代、その次の世代、更にその次の世代ということを考えていくと、この地の農業はどうなっていくのだろうか?


 

この年末のややこしい時期に風邪を引いてしまった。今日は、頭が少しボ~ッとしている。